個人情報保護法は守ってくれません!

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個人情報保護法により,個人情報の保護が強化されました。
そのせいでしょうか?

これは,個人情報に関することなんだから,税務署から提出を求められても正々堂々と拒否することが出来るとお考えになっている方が増えてきました。

個人情報保護法の施行により,納税者の権限が強化されたのだということでしょうか?
ところが,個人情報保護法は,納税者を守ってくれないのです。

税務調査に関する限り,個人情報保護法とは,全く無関係に調査がおこなわれます。

個人情報保護法では,個人データを第三者に提供する場合は本人の同意が必要ですが,税務調査の質問検査権は,本人の同意を得る必要がありません。

しかも,法人税の調査において,社長名義の銀行預金について事業関連性が疑われる場合にその通帳の提示・提出を求めることは,法令上認められた質問検査等の範囲に含まれます。

これは法人の調査なんだから,社長名義の銀行預金を調べることは,個人情報保護法の趣旨から許されないと文句をいうことも出来ないわけです。

しかも,正当な理由なく拒絶すると,罰則(1年以下の懲役又は50万円以下の罰金)が科されてしまうんですね。

税務署からの質問を街角のアンケート調査みたいなもんで,答えたくない質問には,個人情報保護を理由にカンタンに拒否することが出来ると考えている人が意外と多いのですが,考えをあらためないといけません。

税務調査の質問検査権は,国家権力です。
捜索が出来ないという点を除けば,強制捜査と同じくらいの強力な権限を持っているということなんですね。

といっても,口頭や文章で説明しても,なかなか納得がいかないかも知れませんので,この印籠をしっかりと目に焼き付けてください。

では,個人情報の観点から,税務調査で果たす税理士の役割はどうなるでしょうか?
正当な理由がないのに帳簿書類等の提示・提出の求めに応じなければ罰則が科されるわけですから,逆にいえば,正当な理由がある場合には,帳簿書類等の提示・提出の求めを正々堂々と拒否することを提案します。

ただ,実際にそう判断する場面を過度に期待されると困ります。
こういう部分を大げさに伝えると大勢の見込み客を集めることが出来るのかも知れませんが,弊事務所では誇大広告ギリギリの線を狙うことはしないルールになっていますので(^_^;)

通常は,税務調査官の求めに応じて,いわれるがまま資料を用意します。
ただ,どうしてもAという書類は見せたくないが,Bという書類を見せれば,取引全容がわかる場合には,代替品の提示・提出でなんとか対応出来ないかを考えます。

まあ,これも過度に期待されても困りますけどね。
われわれの事務所は,代替品の提示・提出をご提案し,お客様のプライバシーを守ることを約束しますなんていうと,見込客がたくさん集まるんでしょうけどね~

毎回こんなことをやっているわけではありませんよ~
あくまでも,ケース・バイ・ケースでの対応です。
なんてバカ正直な情報発信なんでしょう(^_^;)

一番標準的な対応は,ガス抜きのタイミングを図ることですかね。
見せたくないものをイキナリ見せろと言われて,心理的に拒絶する反応を起こすというのはよく理解できます。

ですので,結果的には税務調査官のいわれるがまま,求められた資料を結局みせるのですが,経営者の顔色を伺い,調査官にはいま調べていますと答えて時間を稼ぎ,ほとぼりの冷めたところを見計らって提出を促すことが一番多いかも知れません。

かなり個人的な情報まで聞かれ矢継ぎ早に質問が来るので,税務調査が永遠に終わらないのではないかとノイローゼになられる方もいらっしゃいます。

そうならないように,税務調査では提出するタイミングを図ってガス抜きをしたり,求められた資料が何を調べるために必要とされるのかを丁寧に説明することを心がけています。

もちろん,全てが上手くいくわけではありませんけどね(^_^;)
税務調査に対する納税者の心を癒やすのも,税理士の大事な役割だと思います。
詳しくは,弊事務所の税務調査に対する考え方をご参照ください。

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